近年新たな採用方法として注目度が上がっている「リファラル採用」。あなたも耳にした事があるでしょうか?人材不足にあえぐ求人対策の中でも費用対効果も高いと言われているリファラル採用についてご説明したいと思います。
リファラル採用とは?
リファラルという英語の意味は「紹介や推薦」などという意味があります。その言葉の通りリファラル採用とは自社で働いてる社員やパート・アルバイトスタッフからの個人の紹介による採用方法の事を意味します。日本語の「縁故採用」と意味はほとんど同じです。
リファラル採用の事例
- 在職者からの知人紹介
- 取引先の知人紹介
リファラル採用の事例としては一般的には会社に在職する社員などからの照会が主になります。また数は多くありませんが取引先などからの縁故紹介というケースもあります。
リファラル採用の方法
- 在職者からの紹介
- 面接希望者と人事担当者の顔合わせ
- 面接、採用
求人情報の紹介が在職者などの人から来る事以外は一般の採用の流れと変わらないケースがほとんどです。しかし中には紹介者と面接希望者と人事担当者の3者で顔合わせや食事などをする機会を設ける会社もあります。
通常の面接よりよりパーソナルな付き合いで就労までのステップを踏む事が出来るのもリファラル採用の特徴と言えます。
リファラル採用が増加している理由
リファラル採用(縁故採用)が近年増加している1番の理由としては「深刻な人材不足」があります。求人サイトや転職サービスなどの通常の求人方法ではすでに望むだけの人材を採用できなくなってきています。
また会社によってはリファラル採用の方が質の高い会社にマッチした人材が採用できるという理由から縁故採用を積極的に進めている会社もあります。特に起業したばかりのベンチャー企業では世間への知名度もありませんしベンチャー企業の企業文化を理解していない人が通常の求人経由で就労しても苦労をするケースが多い事からベンチャー企業でのリファラル採用も増えています。
また中小企業に於いてはもともと縁故採用というのは一般的な求人方法の1つでしたが近年その縁故採用の良さを見直し積極的なリファラル採用を推し進めている会社も多くあります。
リファラル採用のメリット・デメリット
そんな良いところだらけに見えるリファラル採用ですが良い面もあれば悪い面もあります。ここではリファラル採用のメリットとデメリットについてご紹介いたします。
リファラル採用のメリット
- 面接者と企業側の考えのミスマッチが少ない
- 求人費用と比較した際の費用対効果が高い
- 社風に合った人材の採用が出来る
リファラル採用のメリットとして大きなポイントは、紹介されて面接に来る人と企業の考え方のミスマッチが少ない。という事が上げられます。そもそも会社で実際に働いている人の紹介ですので面接に来る人も紹介者からある程度会社の内情を聞いて来るわけです。
給料や待遇や社風など普段の雑談の中で会社のある程度の情報を得て入社するとそうでない場合では大きな違いがあります。
採用前に会社の情報が少ない場合には実際に就労してみて「考えていた仕事と違った…」というのはよくある話です。
リファラル採用を取り入れる事によってこういった考えのミスマッチというのはかなり少なくなります。
リファラル採用のデメリット
- 縁故採用絡みで入社した人が退職する際に連鎖退職の可能性がある
- 良くも悪くも会社の内情を伝えなければならない
リファラル採用のデメリットとしてはやはり紹介者と紹介された側の就労した後の関係性です。例えば紹介した本人が退職をしてしまう場合にリファラル採用で採用された人も「あの人と一緒に働けないなら私も退職します…」というのは起こり得る事例です。実際にプログラマー等の職種では起こります。
また紹介者から面接者には良くも悪くも会社の内情が様々伝えられます。社長の性格からボーナスの金額、待遇やトイレのキレイさまで本当に会社の全部の情報が人事採用部の意図しない情報までまさにダダ漏れになります。こういった面もリファラル採用にはあるとう事は頭に入れておかなければなりません。
実際にリファラル採用をして分かった事
私が経営している会社でも数年前から実際にリファラル採用をしております。実際にリファラル採用をして分かった事も多くありますのでご紹介いたします。
リファラル採用経由の社員の退職率は低い
あくまでも弊社の事例となりますが縁故採用での社員は退職率が著しく低いです。
考えられる理由としてはもともとつながりがある人経由での採用の為会社の状況や待遇などについても就職前から情報を得れる。そして就職したあとの自分の思いとのミスマッチが少ない。というのが1番大きな理由かと思います。
リファラル採用の注意ですが、縁故採用というとどうしても周りのそうでない社員から見ると実は優遇されているのではないか?特別待遇なのではないか?という目がある事も事実です。
ですのでリファラル採用の人もそうでない入社の仕方をした人も公平に評価出来る人事制度は必須と言えます。
広い意味でのリファラル採用は常に起こる
弊社での事例の場合私が独立した会社からの縁故紹介という事例もかなり多いです。実際に先方の会社で勤めていて退職した際にその人の上司から弊社を紹介されるというケースもあります。
また弊社を退職した人が知人に弊社の事を紹介してくれて面接に来てくれたケースもあります。
更にもう一例ご紹介すると取引先の方に求人募集しているんですよという話をした時に取引先の知人の人を紹介してくれて面接から採用に至ったケースもあります。
全てに言えるのは「世間は狭い」という事です。会社がある地域での評判が良ければリファラル採用にも大きな影響がありますし、逆に評判が悪くなってしまえばその事が広まるのは早いです。
誠心誠意経営を行う事で様々な経路からのリファラル採用の可能性が広がります。
紹介で入社して来た人が退職すると気まずい
これも私自身が体験した事ですが、リファラル採用で入社してきてくれた社員が退職するのはやはり気まずいです。私自身もその際には紹介してくれた人にその事実を告げる際には気まずい思いをしてしまいます。
「せっかく紹介してくれたのに…」「何か会社として至らない点があっただろうか?」「退職の理由を紹介者の人と退職者の人は色々話すのだろうか?」などなど中々の気まずさはあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?リファラル採用についてお分かり頂けたでしょうか?
日本ではもともと縁故採用という言葉もあり一般的に行われているリファラル採用ですが実際に私が人事採用の現場で実践した感想としては「デメリットよりはるかにメリットの方が大きい」という事です。
やはり入社する前から企業文化や待遇などを知人の口から直に聞いているという点が非常に大きいです。
あなたが転職する際にも友人や知人に「あなたの会社で求人募集していない?」と一言聞いてみると思わぬ縁故採用あるかもしれません。