転職を希望する人の多くは「年収アップ」を望んでいるでしょう。「今の給料では不安」「結婚できないかも」という理由で、年収の良い企業への転職を模索している方も多いでしょう。売り手市場と言われていますが、転職はそんなにあまくはありません。転職したからと言って必ずしも年収が上がるとは限りません。そこで、今回は年収を上げるための4つの手順をご紹介していきます。

転職して年収を上げる為の4つの手順

会社員の年収は微増する人がほとんどですが、中には微減する人もいます。会社員である以上、毎年少しずつ上がったり下がったりの繰り返しで、大幅アップはなかなか見込めません。今よりも年収を上げるには、歩合制の営業マンであれば成績を上げれば良いのですが、大半の人は転職した方が年収アップの近道と考えます。ここでは転職して年収をアップさせるために必要な手順をご紹介します。

手順1今の給料より高い会社に転職すると決める
手順2今の自分の実力を客観的に分析する
手順3自分の実力を踏まえた上で年収が上がる求人情報を探す
手順4年収交渉を行う
それでは一つ一つ詳しく解説していきます。

手順1:今の給料より高い会社に転職すると決める

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異業種への転職は年収が上がりにくいと言われていますが、スキルや経験など自分が持っている汎用性が高く、代用がきかない人材であれば異業種へ転職しても年収アップにつながります。また、転職のタイミングも大切です。タイミングによってはさらに年収が高くなることもあります。

年収の考え方

一般的に年収とは、所得税や住民税などの「税金」や、健康保険料や厚生年金などの「社会保険料」が差し引かれる前の総支給額で、賞与(ボーナス)」も含まれます。

会社によっては残業代込みの給与体系になっていることもあります。その場合、固定残業時間に満たくても「固定」なので給与額は変わりませんが、超え場合は超過分の残業代を支払うシステムになっています。しかし、会社によって超えた分は支払わないということでありますので、注意が必要です。

給与体系をチェックする際、必ず「住宅手当」「家族手当」「通勤手当」なども確認しましょう。給与が高いと言っても、手当込みで月給を表示している会社もあります。例えば、「月給25万円以上」と書かれていても、実際は「基本給18万円+通勤手当2万円+家族手当3万円+営業手当(固定残業代)2万円」ということもあります。給与の内訳もしっかり確認しましょう。

最近は、地元で転職したり、地方から都会に出て働いてみたり、「ライフスタイル」を重視して転職する人も増えています。「地方は年収が低い」というイメージはありますが、必ずしもそうではありません。地方は首都圏に比べると、家賃が低く、生活費を安く抑えることができます。支出が減る分、貯金に回せるお金が増ますので、首都圏で働くよりも生活にゆとりがうまれるかもしれません。

手順2:今の自分の実力を客観的に分析する

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転職活動をする上で、業務内容や役職も重要ですが、一番気になるのは「年収」ですよね。転職するならやはり年収アップしたいと希望する人がほとんどではないでしょうか。採用する企業は、あなたのスキルや経験、ポテンシャルなどを総合的に判断して年収を決定します。即戦力として期待ができると判断されれば年収アップする可能性は高いです。逆に、戦力となるまでに時間がかかると判断されれば年収アップの期待は低くなります。ここでは、中途採用者の年収の決まり方などをご説明していきます。

そもそも年収とはどうやって決まっているのか?

年収の決め方は大きく分けて3つです。

1.前職の給与を考慮
2.経験や能力
3.年齢や役職に応じた給与テーブル
多くの企業は、この3つの方法で給与を決定しています。
中途入社が新卒入社の社員よりも高い給与だと不平不満が出る可能性もありますので、企業独自の給与テーブルで同じ年代の給与を参考にしながら、転職者の経験や能力、前職の給与を考慮した上で、最終的な年収を決定します。

また、厚生労働省が発表した平成25年版賃金事情等総合調査によると、基本給全体を100としたとき、それぞれの要素が以下のように考慮されていることがわかりました。

1.総合判断 49.4%
2.職務・能力給 31.3%
3.年齢・勤続給 14.4%
4.業績・成果給 4.9%
総合判断が約半数となりましたが、「職務・能力給」は約3割を占めています。企業側は、スキルや経験などその人の能力に対して給与を決める傾向が高いです。

転職サイトなどでは企業の平均年収を掲載していることがあります。転職先の企業の平均年収がわかれば、転職後の年収をある程度予測することができます。今の給与よりも平均年収が低かった場合は、ある程度年収が下がることを覚悟しておいた方がよさそうです。

自分の実力を客観視出来る「転職力診断テスト」を受けよう

転職後、どれくらいの年収が見込めるのか知りたいという人には「転職力診断テスト」を受けてみることをおすすめします。大手の転職サイト@typeが提供する自己分析ツール「転職力診断テスト」では、質問に回答していくだけで、適格なアドバイスを受けることができるほか、自分の年収の相場やあなたの強み、特徴などがわかります。@typeに登録している13万人の経歴データをもとに、あなたの転職力を100点満点で採点してくれます。また予想年収も教えてくれます。客観的に分析をしてくれるので、今後の転職活動の参考になります。

口コミ①診断の設問はなかなか面白かったです。あくまで診断なので最終的な判断は自分になりますが、転職活動で迷った時にはこういった診断を参考にしてみるのも悪くないです。
口コミ②このテストでは、交渉力やビジネスの基礎能力などの分析項目もありました。転職する予定がない人でも自分を見つめなおすことができる面白いテストです。
口コミ③私の転職力は89点と結果は高かったのですが、転職は思うように進んでいません。弱点をもう少し分析してほしいです。
利用者の評価はそれぞれに分かれますが、利用者は自己分析ツールとして参考にしているようです。自己分析がうまくできていない人は一度、テストを受けてみることをおすすめします。

手順3:自分の実力を踏まえた上で年収が上がる求人情報を探す

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年収アップに成功した人たちはどのような転職活動をしたのでしょうか、気になりますよね。年収アップに成功した人たちは、転職サイトをうまく活用して転職活動を進めています。

転職サイトを上手に利用しよう

転職サイトはそれぞれ強みやコンテンツが違います。口コミや評価を見るポイントは4つあります。

1.転職活動をサポートしてくれる担当者の対応力
2.非公開求人など求人数の多さや質
3.どの業界に強いのか
4.自己分析ツールなど独自のサービスやコンテンツが充実しているか

数ある転職サイトの中から自分に合うサイトを見つけることは簡単ではありません。しかし、利用者の口コミ数や評判などを見れば、合うか合わないか判断する材料にはなります。どのサイトも登録は無料ですので、気になるサイトへ登録して実際に使ってみましょう。

転職サイトの求人事例

転職サイトの主なサービス内容は「求人情報の掲載」「求人の応募」「スカウト」の3つになります。転職サイトにはたくさんの求人情報が掲載されており、インターネットを経由して応募することができるのですぐに転職活動を始められます。転職サイトに登録すればあなたに興味を持った企業などからスカウトメールが届くメリットもあります。「転職サイトってどこがいいの?」と迷っているあなたのために、おすすめしたい5つの転職サイトをご紹介します。

1.エン転職

エン転職 HP 画像
日本最大級の転職サイトです。スカウトメールはもちろん、面接サポートなど転職支援サービスが充実しています。現社員や元社員の口コミ情報なども掲載しています。

2.doda

doda HP 画像
業種ごとに専任のキャリアアドバイザーが転職相談から求人紹介、面接対策などをサポートします。ITエンジニア、メディカル、エグゼクティブなどに特化した専門サイトもあります。

3.マイナビ転職
マイナビ転職 HP 画像
豊富なノウハウであなたの転職活動を支援する転職サイトです。英語や中国語など外国語を使うグローバルな仕事や、女性のための転職サイトなど専門分野の転職情報もたくさんあります。
4.リクナビNEXT
リクナビNEXT HP 画像
求人企業の多さは国内No.1です。転職を検討し始めた人は誰でも聞いたことはあるのではないでしょうか。転職決定率も高いので初めて転職する人にはおすすめです。
5.@type
@type HP 画像
ひとつ上を目指す人向けの転職サイトです。首都圏を中心に、求人情報を掲載しているほか、履歴書や職務経歴書など転職活動をサポートします。

転職サイトの特徴はそれぞれです。自分に合っている転職サイトなのかどうか検討をしてから利用しましょう。

手順4:年収交渉を行う

年収交渉を行う
少しでも給与を上げたければ、「給与交渉」が大切になります。求人情報に記載されている給与はあくまで目安です。最終的な給与額は内定が出た後、企業内で協議し決定します。その前に、自分の希望年収額を伝えましょう。選考段階から給与の話ばかりですと、採用者に「給与ばかり重視している」と悪い印象を与えてしまう可能性がありますので、まずは仕事に対する熱意をしっかり伝えましょう。ほとんどの場合は内定前後に企業側から条件面を相談があるでしょう。もし、企業側から何も提案がない場合は、最終面接後に条件面について質問してみてください。

また、希望年収を伝える際、いきなり「希望年収は1,000万円です」と言われても企業側は驚くでしょう。しかし、「前職では年収〇〇万円でしたが、こういう理由(スキルや経験など)で年収〇〇万円を希望します」と根拠のある金額を伝えれば、企業側も納得することができ、交渉はスムーズに進むでしょう。あくまで謙虚な姿勢で伝えることが大切です。

年収アップのコツ

年収アップのコツは面談時に給与などの条件面についてしっかりと確認することです。企業では、年齢や経験などで設定している給与テーブルがそれぞれあります。転職当初は、前職と変わらない給与でも、あなたの活躍に応じて数か月~1年後に給与の見直しをすることが一般的です。面接時では、「見直しの時期」「同年代のおよその給与額」などは確認しておきたいところです。

また、成果や業績ベースの場合は、まだ実績がないため転職当初は前職より給与が低くなることもあります。ただし、成果次第で給与はすぐに上がる可能性が高いので、目安として最高と最低の金額や、実績などを確認しておきましょう。営業以外の人は、何が成果の基準になっているのかを確認しましょう。

しかし、気になるからと言ってお金のことばかり確認するのは悪印象を与えてしまいます。交渉が苦手な人は「転職エージェント」を頼ることをおすすめします。

転職エージェントによる年収交渉とは?

転職を希望する企業に対し、年収を交渉することは言いづらいこともあります。実は転職エージェントを利用し転職をするメリットの1つに「転職エージェントが転職先の企業と年収の交渉を行ってくれる」というポイントがあります。一般的に、年収は内定前後に提示されることが多いです。そのため、求職者は希望年収を伝えられないまま、企業側の提示を受け入れてることもあります。希望年収よりも高い金額であれば問題ないのですが、下回った場合、「もう少し上げてほしい」となかなか切り出しにくい状況です。事前に転職エージェントのキャリアアドバイザーに希望年収を伝えておけば、キャリアアドバイザーが企業と交渉を進めてくれますが、必ず年収が上がるというわけではありません。企業によっては給与テーブルが明確に決まっているため、その基準を大幅に上回る年収を受け入れる可能性は極めて低いでしょう。仮に、希望の年収を企業が受け入れたとしても、入社後のプレッシャーが重くのしかかることもあります。その辺を踏まえてキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。

年収交渉の注意点

年収アップのためには「自己分析」や「タイミング」が大切ということがわかったと思いますが、交渉する際「いくらでもいいです」と企業任せにしてしまうのは避けましょう。「御社の給与テーブル通りで構いません」という意味で伝えたとしても、企業側がそう解釈するとは限りません。「意識が低い」と見なされてしまうこともあります。また、年収交渉をしづらいからと言ってメールで希望を伝えることも避けましょう。対面で伝えないとコミュニケーション能力が低いと思われてしまう可能性もあります。これでは、面接でいくら自己アピールがうまくいってもマイナスのイメージが強くなってしまいます。大切なことは直接伝えるよう心がけましょう。

まとめ

転職をしたい理由は人それぞれですが、転職する目的の多くは「年収アップ」に期待します。長い人生を豊かに過ごすために給与はとても大切な条件です。年収アップを成功させるコツは、自己分析とタイミングです。より確実に成功させたいのであれば、転職エージェントのキャリアアップアドバイザーにお任せしましょう。条件面の相談から交渉まであなたに代わって企業と交渉してくれます。仕事をしながら転職活動をしている人にとっても、時間を有効に使えるメリットがあります。転職を成功させたいのであれば、キャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。